今から100年前、濱田庄司とバーナード・リーチという二人の若き陶芸家が、大志を抱いてイギリスのセントアイヴスにリーチポタリー(窯)を築きました。
その後、濱田庄司が作陶の拠点とした益子の地では去年『益子×セントアイヴス100年祭』を開催するはずでしたがコロナの影響で1年延期となっていました。
そして今年、2021年6月12日〜9月12日の間イベントが無事開催される事になったので行ってきました!
益子参考館 企画展「リーチと濱田Ⅱ」
まず初めに訪れたのは益子参考館。陶芸家濱田庄司が、自らの作陶の参考として蒐集した品々から受けた恩恵と喜びを、広く一般の方々と共有し「参考」にして欲しいとの意図で1977年に開館されました。企画展のタイトルは「リーチと濱田Ⅱ」。(あれ??「Ⅱ」って事は「Ⅰ」があったの? と思ったら、去年やっていました…。)チケット売り場からいちばん近い展示室1号館で、バーナード・リーチと濱田庄司にまつわる作品を展示していました。
リーチと言えば、スリップウェア。土に水を加えた泥(スリップ)を筆やスポイトで装飾する、ヨーロッパの伝統的な技法です。日本各地にその技法を広めたのがバーナード・リーチなのです。(スリップウェアの丸いお皿を見ると、ついお好み焼きを連想して美味しそう〜と思ってしまうのは私だけでしょうか…。)お皿や水差しなど彼の代表的な作品はもちろん、動物や虫、更には濱田庄司を描いたスケッチや、セントアイヴスの風景を描いた陶板、濱田がセントアイヴス滞在時に息子宛てに書いた手紙、リーチポタリーで濱田が制作した壺など珍しい品々が展示されています。
バーナード・リーチをモデルに書かれた、原田マハ著『リーチ先生』という本の中に出てくる様な白磁の壺も見つけました。本の読者なら物語の世界と実際の作品を照らし合わせて、更に想像を掻き立てる展示となっていました。本を読んでいない方も民藝好きなら、とってもオススメの一冊です。本の感想は以前の記事をご覧くださいませ。
今年、2020年は陶芸家バーナード・リーチと濱田庄司がイギリス、セント・アイヴスの地に、西洋で初めて東洋式の窯“リーチ・ポタリー(The Leach Pottery)”を築いて100年という記念の年な ... 続きを見る
祝 リーチ・ポタリー開窯100年!『リーチ先生』原田マハ著を読んでみた
因みに他の展示室では常設展がやってるので、濱田がコレクションした世界の民藝や土偶などが見られます。
チケット売り場横のギャラリーショップでは、イベントの関連グッズを購入することができます。
Tシャツにも惹かれましたが、結局イベントオリジナルのマスキングテープと茶色のトートバッグを娘の絵本バッグとして購入しました。バッグはとてもしっかりとした生地で、重い物も入れられそうです♪
益子陶芸美術館 企画展「バーナード・リーチ ー100年の奇跡ー」
次に訪れたのが、益子陶芸美術館です。参考館はこれまで3回ほど観覧した事がありましたが、陶芸美術館は初めての訪問となりました。
なんと、期間中に益子参考館と益子陶芸美術館の2館を訪れるとスリップウェアのブローチがもらえるという特典があります! 陶芸美術館のチケット売り場で、益子参考館のチケットを見せると特典が貰えます。箱の中から好きな物を選んで良いと言われたので、夫と私が選んだのがコチラ
とっても可愛いです^^ 写真左は「フェザーコーム」と呼ばれるスリップウェアの代表的な文様です。並行に縞模様を作った後に、ナイフのようなものを直角に入れて線を引きます。このブローチの特典は、先着300名限定なのでお早めに♪
企画展の内容は、主にバーナード・リーチの作品とイギリスの関連作家の作品、影響を与えた日本の窯元の作品などがありました。 1950年代のリーチ工房製のジャグがとてもきれいなシルエットでした。1925年にリーチが手掛けた「ガレナ釉筒描人魚文大皿」は、今見るとアマビエに見えてご利益がありそうでした。
各地の民藝館のギャラリーショップで見かける様な、島根の湯町窯のエッグベーカーや、鳥取の牛ノ戸焼のお皿なども展示してあり親近感を覚えました。また、企画展のポスターに使用されているリーチの写真を撮影したジャーナリスト加藤節雄の写真も展示されていました。この企画展は8月22日(日)まで開催されています。
因みにお昼ごはんは、そば名水で十割蕎麦と湯葉丼のセットを食べました。お蕎麦はもちろん卵焼きもとても美味しかったです♪
また、道の駅ましこではイベント期間中、濱田庄司が愛した食卓を再現したランチメニューが楽しめるそうです。その名も「濱田家のチシャ巻き定食 1,200円(税込)」※1日10食限定。
他にも関連イベントが9月12日まで続きます。勉強会やスリップウェアの陶芸体験などとても面白そうなイベントがモリモリです! こちらはイベントのチラシです
詳しくはイベントホームページをご覧下さいませ。
今回は『益子×セントアイヴス100年祭』に行った様子をレポートしました。9月11〜12日は「ましこ市2021」が開催されるので、その時期にも、また行ってみようと思います♪
【2021.9.2 追記】残念ながら、9月11〜12日に予定されていた「ましこ市2021」が、11月27日(土) 10:00~17:00、28日(日) 10:00~16:00に延期となりました!(※新型コロナウィルス感染症の状況などにより内容を変更する場合あり)勉強会やワークショップの開催を楽しみに待ちたいと思います♪