キラキラした貝殻を漆器に貼る「螺鈿(らでん)細工/蒔絵」は知っていても、
卵の殻を使った「卵殻(らんかく)細工/蒔絵」はあまり知られていないマイナーな技法かもしれません。
私が初めて卵殻蒔絵を見たのは、長野の松本民藝館。
丸山太郎の「卵殻貼柏盆」を見て、その美しさにトキメキました。
ちなみに日本民藝館の創設者、柳宗悦に「民藝館の全ての蔵品をこの一個に換えても良い」と言わせた「岩偶(岩手県岩泉町袰綿〈ほろわた〉出土)」の為に、
丸山太郎に作ってもらった専用の収納箱(日本民藝館所有)も卵殻蒔絵の素晴らしい一品です。
出典:日本民藝館のウェブサイトより
収納箱の写真は公式ページにありませんでした…ぜひ実物を見てもらいたいです。
今回は卵殻細工初心者の私が、探り探り卵殻蒔絵をやってみた工程をご紹介♪
まず、なぜ卵の殻を付けるの??
と思うかもしれませんが、漆で真っ白な色を作るのが難しいからです。
漆でも白はありますが少し黄色みがかった生成り色っぽい感じの色味なのです。
昔から鶴や鷺などの純白さを表現する際に、この技法が使われてきました。
step
1ウズラの卵を買う
スーパーでウズラの卵を買いました。
卵殻細工を行う際はニワトリの卵ではなく、一般的にウズラの卵を使います。
薄く、繊細な表現に向いています。
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2卵をお酢に浸ける
家にある米酢が少ししかなかったので、棚の奥に眠っていたアップルサイダービネガーを使ってみたら…
シュワシュワした衝撃で? 一つ割れてしまいました!
米酢を使うのが一般的です。
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3殻のまだら模様をふき取る
しばらくすると殻の模様が浮いてくるので、綿やティッシュで拭き取ります。
真っ白いものと少し茶色いものと、殻の色に個体差があります。
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4卵の中身を出す
ピンセットで卵の殻を割ってハサミを使って殻を切り、中身を出します。
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5薄皮をはがす
殻の内側の薄皮をピンセットではがします。
骨の折れる作業ですが、キレイにはがれると気持ち良いです。
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6殻の内側に墨を塗る
殻の内側に墨を塗り、表裏を分かりやすくします。
墨汁が無かったので、黒色の水彩絵の具を塗りました。
ちょっと薄いですが…ないよりマシでしょう。
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7容器で保管
割れないように容器に入れて保管します。
大きな物は缶に入れて、小さく欠けてしまったものはチャック付きの袋に入れました。
余裕があれば殻の色味を分けて保管した方が、蒔絵するときに便利そうです。
これで蒔絵の下準備ができました!
続きはまた今後。
この本を参考に試行錯誤しています