京都旅行で街歩きをするなら、立ち寄るべき場所がココ
五条坂近くにある、河井寛次郎(陶工)の自宅兼工房だった河井寛次郎記念館。
みなぎる活力を感じられる様々な作品と
それらを生み出した空間を通して、
河井寛次郎の人となりが伝わる、
まるでパワースポットの様な記念館なんです!
館内のみどころ
1937(昭和12)年に建てられた木造2階建ての母屋、陶房、素焼き窯、
登り窯(江戸時代の物)で構成される館内。
母屋の設計は寛次郎自らが行い、はるばる故郷の島根から木材を調達し、
棟梁は兄が務めました。
遊び心いっぱいの母屋
寛次郎が愛着を持って暮らした空間には、来客者を驚かせる
つい笑ってしまうようなアイデアが詰まっています。
吹き抜けに滑車⁉
居間の吹き抜けから天井を見上げると、滑車とロープがぶら下がっています。
今でこそ吹き抜けのリビングは良く見かけますが、
寛次郎にとっては「空間を広く見せる」という意味合いだけではありません。
建築中に資材を運んでいた滑車をそのまま残し、
自分の作品や家具を2階に運ぶために利用しました。
臼が椅子に!
囲炉裏の横には丸太の様な、どっしりとした椅子が3つ。
よーく見ると臼を削って作った寛次郎のオリジナル品です。
底面にはキャスター(木製の車輪)が隠れていて、
見た目によらず軽やかな動きをするようです。
お気に入りのしめ縄と餅花
居間で目に留まるのは、まるでお正月の様な華やかさを感じる、しめ縄と花餅。
寛次郎はこれを気に入り、一年中家のどこかしらに飾っていました。
中庭の動く丸石??
中庭の砂利の上には大きな丸石が。
石灯篭を贈ろうとした知人に寛次郎がリクエストしたのがコレ。
自分で好きな場所へコロコロ転がしていました。笑
出典:河井寛次郎記念館のウェブサイトより
大きな登り窯
住居の一番奥に構える登り窯は、共同窯として活躍しました。
江戸時代に作られたというこの登り窯を、
大正9年寬次郎が30歳の頃に譲り受けました。
昭和46年に市街地での窯の使用が制限されるまで、
ほぼ毎月のように使われていました。
歴史の深さとその大きさに圧巻です!
ちなみに河井寛次郎ってどんな人?
大正〜昭和時代に活躍した陶工(陶器を作る人)で、
「民藝運動」で活躍した中心人物のひとり。
作家として国内外で高い評価を得るも「陶芸家」「陶芸作家」と
呼ばれる事を好まず、生涯一陶工としての姿勢を崩しませんでした。
民藝運動について詳しく知りたい方は、日本民藝協会のウェブサイトへ
バラエティ豊かな作品たち
出典:河井寛次郎記念館のウェブサイトより
身体を研ぎ澄ませて作陶に没頭していた寛次郎は
戦争の影響で仕事ができなくなると、
文章や言葉を生み出すようになります。
ある日寛次郎の前にふと現れたのは、葉っぱとその葉を食べる虫。
虫は葉っぱを食べているが、葉は虫を養っているという事に気づきます。
今までは一方からしか見てなかったが、
お互いに調和しあっている事にハッとした時の言葉がこちら。
この世このまま大調和
講談社『新装版 河井寛次郎の宇宙 河井寛次郎記念館編』
蝶が飛ぶ葉っぱが飛ぶ 昭和二十四年発表 より引用
ひとつの事を突き詰めた者が辿り着ける境地だと思います…
このスケール感、思想こそ寛次郎の作品そのもの
寛次郎は作陶だけでなく、木彫、絵や詩、真鍮のキセルまで
幅広い作品を遺しています。
そんな作品たちを一度に見れるのも記念館の醍醐味です!
出典:河井寛次郎記念館のウェブサイトより
基本情報
〒605-0875 京都市東山区五条坂鐘鋳町569
075-561-3585
京阪電車「清水五条」駅より徒歩10分
駐車場なし
開館時間︰10時~17時 ※最終入館は16時30分まで
休館日:毎週月曜日(祝日は開館、翌日休館 ※夏期/冬期休館あり)
通常料金 | |
一般 | 900円 |
高校生/大学生 | 500円 |
小学生/中学生 | 300円 |
※年間パス 3,000円
基本情報はオフィシャルホームページから引用(http://www.kanjiro.jp/about/)
設備
車椅子専用トイレなし
ギャラリーショップあり
コインロッカーあり
暮らしの空間に癒され、作品からパワーをもらえる記念館に
ぜひ一度立ち寄ってみてください♪