以前、下準備をした「卵殻(らんかく)細工」の続きです
下準備の工程ではウズラの卵を漂白して薄皮を取り除き、裏表が分かるよう裏面に黒色の絵の具を塗りました。
下準備編はこちらをチェック キラキラした貝殻を漆器に貼る「螺鈿(らでん)細工/蒔絵」は知っていても、 卵の殻を使った「卵殻(らんかく)細工/蒔絵」はあまり知られていないマイナーな技法かもしれません。 私が初めて卵殻蒔絵を見たのは ... 続きを見る
卵殻細工の作り方-下準備-
今回は下準備で作った卵殻を飾り付ける「蒔絵」の工程をしていきます!
完成品がコチラ↓
一から漆塗りをするのは初心者の私にはハードルが高かったので、今回は既存の箸置きに蒔絵をしました。
素材はABS樹脂の合成漆器。ウレタン塗装の箸置きを使用しました。
ウレタン塗装なら漆との相性が良いので、重ねて使う事ができるのです。
step
1蒔絵をする部分のウレタン塗装をヤスリで削る
蒔絵を施す範囲にマスキングテープを貼ります。
表面のウレタン塗装を800番のペーパーヤスリで削ります。
step
2下地の漆を塗る
生漆(きうるし)と黒呂色漆を1:1で混ぜて下地を作ります。
卵殻を蒔絵する部分に塗っていきます。
step
3下地の上に卵殻を蒔絵する
卵の殻を細かく砕き、つまようじや竹串を使って下地の上に置いていきます。
つまようじの先に下地の漆を少し着けてから殻を拾うと、上手く先端にくっついてくれます。
step
4乾燥させる
漆風呂で乾燥させます。
立派な漆風呂がないので、段ボールに濡らした布巾やティッシュを入れ湿度を70〜85%位に保ちます。(写真では90%くらいですが…そのうち下がります)
段ボールの内側に霧吹きで水をかけると湿度が上がりやすいです。
この状態で1日以上乾燥させました。
step
5上塗り込みをする
蒔絵をした範囲全体に朱漆を塗ります。
平筆や刷毛で薄く塗ります。
その後step4と同様に、段ボールで1日以上乾燥させます。
step
6卵殻部分をヤスリで砥ぎ出す
マスキングテープを剥がし、一度テレピン油でサッと拭きます。
水に浸したペーパーヤスリ800番を割り箸に巻き付け、卵殻の部分の表面を削っていきます。
step
7蒔絵の完成!
これで蒔絵が完成しました^^♪
この後、本来ならば「拭き漆」「艶上げ」という工程に進み完成なのですが…
初心者の私はここまで出来れば大満足です!
以上、初めての卵殻細工に挑戦してみました!
細かい作業が沢山でしたが、その分とってもやりがいがあり楽しかったです♪
今回も本を参考に、分からない部分は金継ぎの先生に質問したりと試行錯誤でなんとかカタチになりました。
こんな小さな箸置きでも大変だったのに、箱全面や大きなお盆に細工すると思うとゾクゾクします笑
職人さんや作家さんのスゴさを身をもって感じました〜
因みに今回もこの本を参考にしています