今回は鳥取旅行2日目の後半をレポートしていきます!
前回は牛ノ戸焼と因州中井窯、2つの窯元を訪れました。
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鳥取民藝の旅 ‐因州中井窯→牛ノ戸焼窯、とうふちくわも買ってみた編‐
鳥取旅行の2日目をレポートします。 1日目は前回の記事をご覧くださいませ。 2日目の朝、ホテルの朝食を食べて8時過ぎにチェックアウトをしました。向かうのは2つの窯元、因州中井窯と牛ノ戸焼窯です。事前に ...
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その後、牛ノ戸焼の窯元から車で20分程のところにある用瀬(もちがせ)町に向かいました。この地域では雛人形の原型と言われる「流し雛」の風習が受け継がれており、毎年旧暦の3月3日には千代川(せんだいがわ)に桟俵を流す行事が行われています。
千代川に到着しました!
千代川に架かる赤い橋、「ひいな橋」のたもとには立て看板があり、観光客に流しびなの様子を伝えてくれます。
ひいな橋の道を挟んで向かいに建つのが「用瀬流しびなの館」です。金閣寺を模した木造の建物は、1986年に建てられたそうです。私と同年代の建物なので、ちょっと親近感が沸きます^^
入り口では、石で出来たお雛様がズラリと並んでお出迎えしてくれます。
中に入ると、目の前の大きな壁に次郎左衛門雛を発見! 次郎左衛門好きにはたまりません。思わず写真をパチリ♪ 次郎左衛門雛がこんなにフィーチャーされる事がないので嬉しいです。
入って右手の受付でチケットを購入します。高校生以上は300円、中学生以下は無料です。JAF会員だったので更に100円引き。とっても良心的な価格でありがたいです。スタッフの方に館内の撮影許可を得て写真を撮りました。
受付の近くには鳥取砂丘にある「砂の美術館」が手掛けた、砂で出来た流しびなが展示してありました…スゴイ!
1階には大きなお雛様や段飾り、享保雛や古今雛、御所人形など沢山の種類のお雛様が展示してあります。私が働いている埼玉県岩槻の衣装着人形も展示してありました。
流しびなのコーナーでは日本各地の流し雛や、流し雛の原型となる「ひとがた・形代(かたしろ)」などが展示してありました。
明治、大正、昭和の流し雛も展示されていて、鳥取の流し雛が今に至る歴史を知る事が出来ます。
旧暦3月3日の午後、雛段の前に供えられたご馳走を食べ荒らす「ひな荒らし」と言う風習が再現されていました。お雛様も一緒にワイワイ女子会をしている様で、なんだかとっても楽しそうです^^
1階には企画展示のスペースもあり、この時は山陰や四国、九州あたりの郷土玩具を展示してありました。
2階に行くと「押絵雛(おしえびな)」というお雛様を見つけました。初めて見るタイプのお雛様で、布の中に綿が入っていて押絵細工(半立体)になっています。鳥取で産出された物で、山陰地方ではよく飾られたお雛様らしいです。
斜めや横から見ると薄いのに自立しています。
段飾りも展示されていて、押絵雛に馴染みのない私には斬新な光景でした。2階には他にも市松人形や日本各地に伝わる雛人形が展示されていました。
途中、館内にさりげなく貼ってあったポスターを目にしました。事前に確認したホームページには中止と書かれた流しびなが4月3日に行われる様です。
外に出ると、立派なお庭にお雛様が飾ってありました! 菱餅も飾られていて、青空の下でピクニックをしてる様でとっても気持ちよさそうです^^
そうこうしているうちにお腹が空いてきたので、野生の菌で醸す(かもす)パン、地ビール&カフェ「タルマーリー」へ移動します。このお店は「民藝の100年展」の特設ウェブサイト(現在は見れません)で知ったんですが、モデルで女優の菊池亜希子さんが鳥取の旅で巡っていた場所の一つです。
出典:タルマーリーFacebookより
流しびなの館から車で25分くらいの、八頭郡 智頭町(ちづちょう)にカフェはあります。
自然豊かな山の中にひっそり佇むカフェ。なぜこんな田舎にお店があるのかと言うと…自然栽培で麦や米を育て、天然の菌を自家採取し、豊かな里山の地下水や木材を使いパンを作っているからです。
元々保育園だった建物を自分たちの手で改装してカフェにしたそうです。
正午前にお店へ着きましたが人気店の様で少し並びました。お店の扉を開けると、沢山のパンがショーケースに並んでいます! こうばしい匂いが食欲をそそります。
タルマーリーでは酵母(イースト)も糀菌も乳酸菌も、野生の菌を自家培養して発酵させています。野生の菌で作るパンの特徴は【小麦粉、塩、酵母、水】だけのシンプルな材料でも、酵母や製法によって食感や味わいが変わってくること。現在は酒種、レーズン酵母、ルヴァン、ビール酵母の4種類を使い分けているそうです。
せっかくなのでカフェではピザを食べて、4種類ほどのパンをテイクアウトする事にしました。
レジでパンを受け取って、イートインの注文とお会計をしてからテーブルに案内されました。「小さなお子様優先」のお部屋には玩具や絵本が沢山あって、待っている間娘も楽しそうに遊んでいました。
本棚にはタルマーリーの店主、渡邉格さんの本も置かれていました。さらに月刊文芸誌『すばる』4月号の特集で「有限性の中に働く」をテーマに、渡邉さんと対談された独立研究者、森田真生さんの本も見つけました! 以前、森田真生さんの著書『数学する身体』を読んだり講演会に参加していたので、数学と発酵がどう繋がるのか興味があります。
ランチはハーフ&ハーフのピザセット(スープとサラダ、ドリンク付)を注文しました。上に乗ったリコッタチーズがさっぱりして、生地も丁度いい厚さで触感も良く、とっても美味しかったです!
食べ終わってお店を出た後、お庭の遊具で遊んで帰りました。
腹ごしらえの後は、来た道を戻ります。
流しびなの館で目にしたポスターには、流し雛のイベントは「令和4年 4/3(日)」に延期と書かれていました。移動中の車内で夫と、目にしたポスターの話をして気づきました。4/3(日)って今日じゃん!
ひな流しは午後2:15〜という事で、半信半疑で千代川に向かいました。
もう一度流しびなの館に車を停めて、ひいな橋から千代川を見ると対岸に人がちらほら見えました! 雛ながしやってそうです‼
流しびなの館の売店に向かい、流し雛の桟俵を1つ購入しました。買ったばかりの桟俵を握りしめ、ひいな橋を渡ります。
川岸では係りの方々がお花をくれました。私がどう飾るのかあたふたしていると「本当はここにお札があるといいんだけど…」と言いながら、おばあちゃんが菜の花、桃の花、椿を飾ってくれました^^ お花を飾ると、更に可愛くなりました!
そして、抱っこ紐で娘を抱っこしている夫を見て「これは旦那さんの分!」と言って、大きな桟俵を下さいました。つくしまで飾られて、とても春らしい賑わいです♪ 粋な計らいにとても感激しました。
桟俵を流すスポットでは、たくさんのカメラマンと記者が待ち構えていました。数年ぶりの開催を取材に来たらしいです。夫も読売新聞社の方に取材されていました。残念ながら娘はずっと抱っこ紐の中でお昼寝していたので、流し雛と写真を撮ることはできませんでしたが、良い記念になりました。
流れていく桟俵に娘の健康を祈ります。
流しびなの館の公式ホームページに「中止」とされていた程、地元の方向けに行われた小規模な流し雛に偶然参加する事ができて、とても幸運でした。貴重な体験が出来て嬉しかったです!
因みに「流し雛」の風習は今でも日本各地に残っていて、我が家も今年の2月に埼玉県の岩槻城址公園で行われた「人形のまち岩槻流しびな」へ行って来ました。興味があればコチラの記事もご覧くださいませ。
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はじめての流し雛。「人形のまち岩槻流しびな」体験レポート!
今回は埼玉県岩槻城址公園で開催された「人形のまち岩槻流しびな」に行って来ましたので、レポートします! 毎年3月3日直前の日曜日に、岩槻城址公園の菖蒲池周辺で流し雛のイベントが行われています。今年202 ...
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さて、ばっちり満喫した鳥取旅行2日目の最後に訪れるのは「鳥取砂丘」です。やはり、一生に一度は行ってみたい場所ですよね。
砂の彫刻が見れる「鳥取砂丘 砂の美術館」は作品の入れ替え中で、残念ながら閉館中でした。鳥取砂丘ビジターセンターを少し覗いた後に、砂丘の入り口辺りを少し散策することにしました。
娘には大きな砂場だった様で、楽しそうに倒れ込んでいました^^
砂丘の壮大な風景を堪能した後は、お宿に向かいます。この日は三朝温泉にある依山楼岩崎に泊まりました。
お部屋からは三徳川と桜の景色が見えて、とても綺麗でした。大人だけじゃなく子どもの可愛い浴衣も貸し出していたので、皆で浴衣に着替えて温泉旅行気分が味わえました♨
夜桜もライトアップされて美しかったです。貸切風呂からも桜が見えて、とっても癒されました。宿の夕食も美味しくて娘も沢山食べていました^^
鳥取民藝の旅も残り一日となりました! 続きはまた次回。