おでかけ 民藝

倉敷ひとり旅 倉敷ノッティングを求めて

私はこれまで3回ひとり旅をした事があります。
この数が多いのか少ないのかは分かりませんが、ひとり旅は好きです。
好奇心の赴くままに行きたいところへ行き、他の誰にも気兼ねなく食べたいものを食べる。
自分は自由なのだ! と、心底実感できるからです。

一度目は島根県森山窯へ、河井寛次郎のお弟子さんを訪ねに行きました。
そして今回はひとり旅第2弾。訪れたのは岡山県倉敷市
2014年5月の旅の記録です。

今回も懲りずに東京から深夜バスを利用。
さすがに日帰りは疲れるので倉敷市内のホテルに一泊しました。

 

朝の9時過ぎに倉敷駅に到着。
駅前のうどん屋さんで腹ごしらえして出発です!
「えびす通商店街」のアーケードを15分くらい歩くと、レトロな風景で人気の観光地「倉敷美観地区」に到着します。

美観地区の中心地なのに不思議と静かな一角に、「倉敷本染手織研究所」はあります。
ここで作られているのが、“倉敷ノッティング”です。
島根旅行で訪れた森山窯で長椅子に敷かれていたコレ

1953(昭和28)年創立の「倉敷本染手織研究所」で作られる、綿やウールで織られた毛足の長い椅子敷のことを“倉敷ノッティング”と呼びます。

幾何学的なデザインは今の生活にも取り入れやすい感じです
創立者である染色家の外村吉之助が考案した折り方やデザインは、今も研究生たちの共同作業により受け継がれています。

今回の旅の目的は、この“倉敷ノッティング”を手に入れること!
残念ながら研究所の門は閉められていました(一般の人の見学は受け付けていません…)。
倉敷川の向こう側にある民藝館へ行ってみます。

 

 倉敷民藝館

江戸時代後期の米蔵を改装した、白壁&貼り瓦の壁が特徴のカッコいい建物。
ここが倉敷民藝館です。

初代館長は“倉敷ノッティング”生みの親、外村吉之介
開館は1948(昭和23)年。ここは日本民藝館の次に開館した、全国の民藝館のうち2番目に作られた民藝館なのです。

館内には国内外の民藝品がたくさん展示されています。

出典:倉敷民藝館のウェブサイトより

ギャラリーショップでは倉敷以外で作られた陶器や工芸品や民藝関連の書籍も販売していました。
ここで倉敷ノッティングを買うことが出来ます。

出典:倉敷民藝館のウェブサイトより

私が購入したのがこちら。(もう6年も使っているので年季が入ってきました^^)

お値段は2万5千円くらいだったと思います。
初めて目にする方は、少々お高めの値段にびっくりするかもしれません…
しかし、これはウールの手織り。

ひとつひとつ手で結んでいく手間のかかる作業です。
折り方はペルシャ絨毯と同じ作りなんです。

綿糸で織られた小さな敷物も購入しました。
ついでに湯町窯(島根県)の可愛らしい黄色の湯飲みも買って、もう満足です♪

基本情報

〒710-0046 岡山県倉敷市中央1-4-11

086-422-1637

JR山陰本線倉敷駅南口から徒歩約15分

専用駐車場なし。美観地区周辺有料駐車場利用

開館時間︰9:00 ~17:00(入館受付は16:30まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は開館、8月は無休)、年末年始(12/29~1/1)

通常料金
一般 1,000 円
高校生/大学生 400円
小学生/中学生 300円

※団体割引、障がい者割引あり
※岡山県民藝協会員・倉敷民藝館ファンクラブ会員の方は無料

基本情報はオフィシャルホームページから引用(http://kurashiki-mingeikan.com/index.html)

 

大原美術館

次に訪れたのは、1930(昭和5)年に開館した日本最古の私立美術館、大原美術館です。
美観地区の中心地、一番人通りの多い場所にあります。
エル・グレコ、モネ、ピカソなどの有名画家の西洋絵画から現代アートまでが揃った、倉敷観光の大定番です。

実はココも民藝スポット!
「工芸・東洋館」には河井寛次郎、浜田庄司、バーナード・リーチ、富本憲吉などの陶芸や、芹沢銈介の染色、棟方志功の木版画などが展示されています。

倉敷民藝館同様、米蔵を改築した展示館となっており、ひんやりとした薄暗い空間です。
西洋絵画が並ぶ本館に比べて観光客が全然いません。
床には窓からの光を、かすかに反射する美しい黒いタイルが敷き詰められています。(後で知りましたがタイルと思った床材、実は栗の木でした!)
歩いていると時々カタカタと小さく愛らしい音が鳴ります。
そんな音や足の感触も楽しめる遊び心があります♪

因みに大原美術館の創立者である実業家、大原孫三郎は民藝運動の良き理解者であり支援者でした。
日本民藝館設立にあたっては建設費を寄贈しています。

 

基本情報

〒710-0046 岡山県倉敷市中央1-1-15

086-422-0005

JR山陰本線倉敷駅南口から徒歩約15分

専用駐車場なし。美観地区周辺有料駐車場利用

開館時間︰9:00 ~17:00(入館受付は16:30まで)

休館日:月曜日(定休日が祝日、振替休日と重なった場合は開館)、12月28日~12月31日

通常料金
一般 1,500 円
高校生/中学生/小学生 500円

※団体割引、障がい者割引、市民割引あり

基本情報はオフィシャルホームページから引用(https://www.ohara.or.jp/)

設備

 音声ガイドあり

 多目的トイレ、車椅子の貸出、エレベーターあり

 授乳室、ベビーカー貸出しあり

 手荷物預かり所あり

 ギャラリーショップあり

 

有隣荘

大原美術館の向かいには、大原孫三郎が家族で住むために建てた旧別邸「有隣荘(ゆうりんそう)」があります。
春と秋の年2回、期間限定で一般公開しています。
偶然にも訪れた日は特別公開中でした。
アートイベントの会場としても使われていて、建物の中を見学する事ができました。


出典:大原美術館のウェブサイトより

独特の製法で焼かれた瓦は角度によって緑色に光るので、通称「緑御殿」とも呼ばれています。
瓦は有隣荘のために泉州谷川の窯に依頼した特注品。
今の額にすると1枚3万円ほどの高価な物らしいです!

こちらの入館チケットは、大原美術館とのセット券で購入したと思います…(うろ覚えですが)

 

その他 訪れたお店

美観地区を散策していると、木の実やお花をそのままアクセサリーにしたお店「ギャラリー サイジ」を発見しました。
そこで購入したのがつくしのブローチ。

それから、倉敷の古本屋で有名な「蟲文庫」にも行ってみました。
小さな店内には自然科学や日本文学の古本がたくさん。
色んな本に目移りします。
ここでは、ゆるめの漫画を買いました。

 

こんな感じで美観地区周辺をぶらぶらしているうちに時間は過ぎました。
夜はホテルの近くのそば屋さんでビールとお蕎麦をいただきました。
二日目も観光地周辺を散策し、この旅は終わりました。

特に地元の方との触れ合いもなく…
少し寂しい気もしますが、そんな旅もあります。
ともあれお目当ての倉敷ノッティングは手に入りました♪
倉敷という“THE 観光地”の中でも、ひっそりと落ち着いた空間を見つけた2回目のひとり旅でした。

 

-おでかけ, 民藝
-, , , , , , , , , , , ,

© 2024 みちすがら