日本民藝館で開催されている「生誕100年 柚木沙弥郎展」に行ってきました。この展示は昨年100歳を迎えた染色家、柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)の特別展です。
出典:日本民藝館公式サイトより
これまで日本民藝館で存命作家の個展が開かれたのは、バーナード・リーチ、河井寛次郎、濱田庄司、棟方志功の4人だけでした。柚木さんは2018年の特別展「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」に続き、日本民藝館では2回目の個展となります。
私が柚木氏を知ったのも2018年の展示を見たのがきっかけで、民藝のレジェンドが現役で作品を作り続けている事に驚きました。昨年は生誕100年という記念の年だったので、柚木さんの画集や絵本を読みながら特別展を楽しみにしていました
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祝!生誕100年、柚木沙弥郎を改めて読む。
染色家・柚木沙弥郎さんをご存知でしょうか? 染色だけでなくグラフィックデザインや絵本など精力的に活動を続けられている柚木氏ですが、なんと御年99歳。今年10月7日には100歳になられます‼ ...
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待ちに待った今回の特別展に、やっと足を運ぶ事が出来たのでレポートします♪
訪れた日はとっても寒かったので、民藝館の玄関前の大きなカメに氷が張っていました。一緒に訪れた2歳の娘と夫は、楽しそうにツンツン氷を触って遊んでいました^^
受付でチケット(一般/1,200円)を購入すると、コロナウイルス感染予防と建物保存のためシューズカバーが配布されました。撮影が許されているのは2階の大きな展示室のガラス内のみ。1階にも併設展に合わせて、あちらこちらに柚木さんの染色が展示されていました。
ガラスケースの中では柚木さんの染色と民藝館所蔵の民藝品が併せて展示され、面白いコラボレーションが生まれています^^
重たい体を支え地に足をつけた鳥が見つめるのは、優雅に空を飛ぶ燕。「ツバメのうた」2017年(2015年の型)という作品です。ガラスケースの対面の壁には、もう少しお腹のぷっくりした連作の「ツバメのうた」が飾られています。
比較的近年の作品には「画面構成」や「配置」をテーマにした作品があり、アート史の中でカンディンスキーやモンドリアンなど抽象画家が「コンポジション」という作品を作った様に、100年も生きていると一人の作家の中でも、抽象的な作品を作る時期があるのだなと思いました。
2017年の「古木」という作品です。そぎ落とされた色と形の中にも、生命力が漲っています。こんな形を作り出せるのは、長年現役で作品作りを楽しんでいる柚木さんだからこそ生み出せるんだろうなと腹落ちしました。
2階の廊下では柚木さんのインタビュー動画も上映されていました。ゆっくり見る事ができなかったので、せめて作品集だけでも購入したいと思いミュージアムショップに行くと、『民藝』1月号が「柚木沙弥郎のいま」というタイトルで特集を組まれていたので一緒に購入。さらに、柚木さんの師匠である染色家・芹沢銈介氏の型染カレンダー(桂樹舎:1950年復刻版)があったので購入しました。
小さい子どもと一緒に美術館を回るのは、大人にとっても子どもにとっても良い刺激になるかな〜と思いながら行ってはみるものの、やはり「自分のペースでじっくり観賞」とは中々いかないもので。作品集があると、とっても助かります。家に帰ってじっくり読んでいると、また実物を見たくなります^^
特別展は4月2日までの開催なので、機会があればまた行きたいと思います!